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アイルランド南東端の、ここロスレアから、ダブリンの南に位置するグレイストーンまで。これが今日の予定であるが、距離が、地図をみる限り150キロはある。せっかく着いたアイルランドなのだから、もう少しゆっくりペダリングしたいのだが、この予定だけはどうしても変更できない。まずはGRSのため。今日が木曜日だから、明日、ダブリンに到着しなければならない。土曜日は、番組がないのだ。金曜日の午前中にダブリンに入るには、今日、出来るだけ距離を縮めておかねばならない。そして、このスケジュールに合わせてダブリン入りする母親、満代おばさん、桂子ちゃん(現在、弟の嫁さん)、マリア、マリアの両親と妹カップル、友人との兼ね合い。こうなればもう、自由な旅行とはいえない。勿論、みなさまには心から感謝をしているので、全く文句はないのだが。
実は、このコースにしても、元々のそれとは全く違う。当初は、イギリスのホリーヘッドからダブリンに直接入る予定だったのだが、GRSとブリヂストンにしてみれば、せっかくここまできてくれたのだから、アイルランドをもう少し漕いで、みんなに祝福してもらえとのこと。
とにかくだ。一昨日、ジェリーが番組で言ったように、"Irish Smiles on the streets"がこの道の上で待っているのだ。それを見るだけいい。Pedal on, Pedal on, Pedal on!
朝食後、ホテルロビーからのGRSライブ。
「Welcome to Ireland!やっとこさ着いたな、ヤズ!どうだ気分は?」
「昨夜、アイリッシュギネス第一杯目を飲んだんだが、もうたまらなかった!」
「今日、ヤズが通る道沿いに住んでいたり、そこを通るドライバーはヤズに声援を送ってやってくれ!」
昨夜のパブでのおっちゃんたちもインタヴューを受ける。老人会のみなさまも大いに盛り上がる。
番組収録後、おっちゃんたち、おじいちゃん、おばあちゃん、ホテルのみなさんとの写真の嵐。フラッシュで目が痛いくらい。
みなさんの激励の声援を背にして出発。最初の10キロ程をコルムのフォードがハザードをたいて先導。
ジェリーの呼びかけに応えてか、出発してからずっと、行きかう車からのクラクション、パッシング、"Well done Yaz!!!!!!!"の声が続く。延々と、延々と続く。ひたすら、笑顔と激励と賞賛のアーチをくぐり続ける。その度に、運転手や沿道に立って拍手を送ってくれるみなさんに拳を挙げて応える。笑顔でみんなの写真におさまる。目頭も、自然、熱くなる。
Pedal on, Pedal on, Pedal on.................
十二時前、ウィリーとキーラの車が僕をやっとこさ見つけ(実は、感動している僕は少し道を間違えていたのだ)、強風の吹くなか沿道GRSライブ。
「ゴビ砂漠でも道に迷わなかったお前が、アイルランドにきてどうしたというのだ!」
「昨夜のギネスのせいだと思う」
Pedal on, Pedal on, Pedal on...........................
Enniscorthyの街外れでウィリーとキーラに再合流。一緒に立っていたBMWのおかあさん(リスナー)、僕といっしょにランチを食べようと待っててくれたのだそうだ。パブに入り、チキンカレーパイを食べながら話していると、小学生の息子さんもやってきた。
「どうしても会わせたかったの」
そうおかあさんは言って、プレゼントに1リットルの7UPをくれた。
ここからグレイストーンまで、まだ90キロはあるだろう。でも大丈夫だ。ゴールはもうそこなんだし、みんなの応援だってあるんだ。
Pedal on, Pedal on, Pedal on..............................
風、強すぎる。雨、パラパラ。アイルランド的といえば、そういうことになる。それでも、今までになく寒い。
クラクション数は午前中よりは減ったが、それでもまだまだある。まだまだ、元気が出る。
みんなの応援にばかり応えているから、まわりの景色はよく見えないけれども、みんなの笑顔が、すなわちアイルランドの景色ではないかと思えてくる。この景色を夢見て、ここまで漕いできたんだ。
Pedal on, Pedal on, Pedal on...........................
夕方近くになるとさすがにペダルパワーも減少するので、沿道で拍手を送ってくれる人に逢うたびに、立ち止まって、雑談がてらの休憩をした。
赤いプリメーラのおにいさん、ウェックスフォードで働いている。
「ゴビのあたり、一番心配していたんだ。とにかく無事で良かった。Well done Yaz!」
小型トラックにもたれかかって僕を待っていた青年が黙って手渡した紙きれには,こう書かれていた。
GO ON, THE YAZ!!!
Ireland
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